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【発酵思想 Vol.2】感謝経済を創るのではなく、なぜ醸すなのか?

こんにちは。
前回は、感謝経済の概略について書かせていただきました。

私はそんな感謝経済を「創る」ではなく、「醸す」と呼んでいます。

今回はなぜ感謝経済を醸すについて掘り下げていきたいと思います。

【発酵思想 Vol.1】発酵から何を学び、次世代に何を残すことができるのか?

経済を醸すと聞くと、意味がわからないと思います。

まずは、経済の語源から探っていきましょう。

経済の語源は、経世済民という中国語からきており、「世の中を治めて人民を救うこと」という意味になります。

我々が普段使う経済という言葉には、お金という概念が必ず付いて回ります。

日本経済、世界経済、経済活動、経済的貧困など。

しかし、元々の語源には、お金という概念は存在しません。

むしろ、国を統治して、国民の救済が主目的だったわけです。

現在の”経済”は、人々を苦しみから救うどころか、苦しみの根元になっていることも多いです。

お金がなければ生きていけない現代社会において、お金は神格化され、人間がお金の奴隷になっていると言っても過言ではありません。

そんな経済を本来の意味での、世の中を治めて人民を救うことに立ち戻らなければ、人々の救済を行い乱れた世の中を治めることはできません。

そのために、経済を発酵させる必要があります

発酵は、無数の微生物たちが自分らしい生き方を実践し、互いに助け合い、生かされあうことで大調和し、醸されていきます。

現行の経済では、市場競争原理という強い者が勝ち、弱き者が淘汰されるシステムで駆動しています。

そのため、人々は出世するためには勝ち続ける必要があり、助け合う調和ではなく、戦いあう淘汰という腐敗の道に進まざるおえなくなっています。

感謝経済は、自分らしい生き方を実践し、あなたにしかできない何かを誰かにすることで、「ありがとう」を受け取り合います。

市場経済では、商品交換を前提としているため、対価としてお金を支払います。

お金は使ったら無くなります。

例外として、金融商品をお金で購入した場合は、お金の増殖が始まりますが。

その市場経済と異なり感謝経済は、贈与を前提として、助けられたら「ありがとう」を伝えます。

相互扶助が起きれば起きるほど「ありがとう」が私とあなたの関係を紡ぎます。

つまり、お金が”信用”を基礎として人間関係を排除したのに対して、感謝は”信頼”を基礎として関係性を強固にします

そして、重要なポイントは、相互扶助は循環であり、交換ではないということです。

交換行為(お金)は、溜め込むことができますが、循環(感謝)は溜め込むことはできません。

恩贈りや恩返しによって「ありがとう」を循環させる必要があります。

この仕組みは、「ありがとう」を媒介して、助け合いが循環し、世の中が調和し、醸されていく状態です。

感謝経済は、世の中を治めて人民を救うために発酵を取り入れた経済です。

以前、寺田啓佐さんの発酵道という本を読みまして深く共感しました。

その本の中で、発酵の三要素が紹介されていました。その3つとは、「共生」「循環」「調和」です。

感謝経済が相互扶助によって私とあなたが共生し、私とあなたと彼、彼女の中で感謝が循環することで、共同体の中で調和が生まれ、見ず知らずの人から優しくされる。

そんな世界が発酵の仕組みに内包されているということを知りました。

まさに発酵の仕組みが感謝経済の仕組みとシンクロしていることに深く感動し、微生物による発酵を学びたいと強く思ったことを今でも覚えています。

醸しているという表現をあえて使う理由は他にもあります。

それは、感謝経済に関わる一人一人が醸し人でなければ経済は発酵していかないからです。

発酵食品の構成要素が微生物たちであると同様に、感謝経済の構成要素は感謝経済に関わる一人ひとりです。

その人自身が、微生物のようにお互いに助け合って「共生」し、目に見えないエネルギーである感謝が「循環」して、私もあなたも幸せになるという「調和」がなければ、感謝経済は醸されていきません。

市場経済の中で、労働者が働かなければGDPが成長しないのと同じように、感謝経済では、一人ひとりが自分らしく生き生きしなければ、調和していきません。

感謝経済は、新生児のようなほやほやの赤ん坊です。

この概念を生かすも殺すも容易にできる今だからこそ、醸し人として参画してくれる方々の協力が大事なのです。

そうした背景もあり、みんなで関わって実験してみんなで醸していく経済が感謝経済なのです。

そしてまた、市場経済を否定するという対抗ではなく、他の経済システムとも調和していくことも目指しています。

市場経済によって技術革新が起こり、高品質なモノが低価格で手に入れることができるようになったり、世界中で飢餓で苦しむ絶対的貧困層がほとんどいなくなったというのも市場原理の賜物だからです。

300年前の先人たちが命懸けで市場経済というシステムを構築し、次世代の人たちが食べ物に困らず、平和な社会を築いてほしいという願いを込めて作られた仕組みを否定することは、先祖への冒涜であり、あまりに失礼ではないかと思うのです。

山の中腹にたどり着けたからこそ、見える世界があり、その世界から我々現代人は、次に進む道を選ぶことができます。

市場経済は完璧なシステムではありませんでした。

それゆえに、環境問題はじめ様々な社会問題が未解決のまま地球に存在しています。

僕は、感謝経済を通じて市場経済とも調和した世界を醸し、20世紀までの機械論的自然観(注1)としての人間中心世界でなく、太陽系を生態系と捉えた上で、宇宙論的自然観(注1)に基づく万物共生世界を醸していきたいです。

次回は、自分と他者の境界線について綴りたいと思います。

注釈

注1
機械論的自然観とは、自然万物を量的に分析し、数学的に解析できるとした自然観であり、機械論的自然観に基づき、近代科学や医学が発達した。

注2
宇宙論的自然観とは、千葉恵介が提唱した自然観であり銀河系や太陽系のような相互作用しあう宇宙を生態系と捉えて宇宙視点で、社会現象を認識するメタ認知の自然観である。(詳細:https://note.mu/keisuke_chiba/n/nffd85278c578

千葉恵介

1996年岐阜県生まれ。思想家。
感謝経済という見返りを求めない贈与の循環を滑らかにする潤滑油として「ありがとう」を用いた経済を提唱し、共感する人たちと共に醸している。
また、感謝で繋がる恩贈りSNSであるMusubiを開発し、貨幣に頼らない経済を模索中。
参考 【ファンクラブ】一緒に「ありがとう」で成り立つ経済を創りませんか? - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

今までの「発酵思想」
【発酵思想 vol.0】感謝経済を提唱する思想家・千葉恵介とは? 【発酵思想 Vol.1】発酵から何を学び、次世代に何を残すことができるのか?

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