お店で買った食べ物のラベルを見てみてください。
お惣菜、ジュース、サンドイッチ。いろいろな加工食品に「香料」という原材料が使われています。
いつも気になってるけど、香料ってどんなもの?
香料は安全なの?
今回はこんな疑問に答えるために情報をまとめてご紹介しようと思います。
ラベルに書かれる香料とは![]()
「香料」とは、その漢字から分かる通り、香付けのために使われるものを指します。
食品ラベルでは、原材料の欄に記載されています。
例えばこんなラベルがあったとしましょう。
小麦粉、卵、砂糖、牛乳、バター、イースト/香料
例にあるように、香料は「/」の右側に書かれていることが基本です。
この書き方にはルールがあります。
それが「原材料/食品添加物」の順番です。
これは「食品表示法」などの法律で決められています。
その中で香料は食品添加物に含まれているので、原材料の次に書かれているというわけです。
ちなみに食品添加物というのは、保存や加工のために使われる物のことです。
一言で香料と書かれていますが、その種類はものすごくたくさんあります。
次にその種類について解説していきます。
食べ物に含まれる香料の種類
たとえば、お菓子づくりに使うことのあるバニラエッセンスは香料の一つです。
2,3滴たらすだけでふわっとスイーツらしい香りが広がります。
おいしそうだし、甘そう、と思ってしまう。
これが香りの力です。
逆に、嫌いなもののにおいは憶えてしまうこともあったりしますよね。
それほど私たちの印象に残りやすいものなのです。
生活の中でよく目にする香料は、加工食品に使われているものでしょう。
食べ物をよりおいしく感じさせるために利用されます。
こうした香料は「天然香料」と「合成香料」に分けることができます。
その2つについて、どんなものなのかを調べてみましょう。
天然香料
まず、天然香料です。
こちらは読んで字のごとく、自然に存在している香料です。
「食品衛生法」という法律の中で決められています。
その種類は全部で612種類。公益財団法人 日本食品化学研究振興財団https://www.ffcr.or.jp/shokuhin/1998/05/B949AEF970492F0B4925684600083647.html
ウコンやトウガラシ、さらにはタンポポといった植物、カツオブシやシメジもその中に含まれています。
こうした自然の素材から取り出されるのが天然香料です。
ラベルでは、材料の名前が書かれるか「香料」と書くことが認められています。
合成香料
つぎは合成香料です。
これは、自然にあるにおいを人工的にまねた香料です。
材料から香り成分だけを抽出する場合と、化学物質を合成して新しくつくりだす場合があります。
しかし、どの成分がどの香りになるのかを知ることは簡単ではありません。
とくにひとつの香りがいくつかのにおい物質からできているときは、人の鼻だけがたよりです。
こちらも法律などで種類が決められています。
よく利用されるものだけでも数百種類あるので、すべてを紹介することはできませんでした。
しかし、大きく18に分類することができるので、どんなものがあるのか表にまとめて見てみましょう。
https://www.jffma-jp.org/flavor/safety/f-list.html
イソチオシアネート | エステル類 | 脂肪族高級アルコール類 |
大根や菜の花などのアブラナ科の野菜が持つ、辛み成分 | りんご,いちご,バナナ,メロンなどに含まれる | 様々な油脂に含まれる
|
チオエーテル類 | フェノールエーテル類 | 芳香族アルコール類 |
ネギやタマネギのにおいのもと | 完熟したバナナのにおい | 清酒の香りの一つ |
インドール | ケトン類 | 脂肪族高級アルデヒド類 |
たくさんかぐと嫌なにおいなのに少量だと花のように感じる不思議なにおい | ペパーミントやセージの精油に多く含まれる | |
チオール類 | フェノール類 | 芳香族アルデヒド類 |
パッションフルーツやグレープフルーツの香り | 醤油独特の香りの一つ | シナモンに多く含まれる |
エーテル類 | 脂肪酸類 | 脂肪族高級炭化水素類 |
「基本臭」の一つと言われ、ペンキのような溶剤のにおいがする | お酢に含まれるもの、バターなどに含まれるものなどいろいろな種類がある | |
テルペン系炭化水素類 | フルフラール | ラクトン類 |
ラベンダーをはじめ様々なアロマオイルにも含まれる香り成分 | トーストの焦げ臭の一つ | ミルクを思わせる香り |
くだものやハーブの香りがもともとだった成分が多くあります。
一方で、インドールのように嫌な臭いだと感じるものも香料として利用されている場合があります。
一口で香料といっても、様々な種類があります。
食品に含まれる香り成分は数えきれないほどあることが分かっていただけると思います。
おわりに
発酵のこうちゃん