今日は牛さんの餌についてお話をします。
実は牛には4つ胃があり、一つ目の胃で餌を分解して、発酵させているんです。
もう少し詳しく説明します。
牛さんは栄養分を作るために胃内で発酵させていた!
実は牛さんは4つの胃を持っていますが、人間と同じように消化吸収をしているのは4つ目の胃だけなのです。
一番目の胃は、容積が大きく、食べた餌を貯蔵しています。
そしてその胃内で微生物が働くことで、餌を分解して、発酵させることで栄養分を自ら作り出しているのです。
私たちのイメージで言えば甘酒です。
お米(牛さんにとっての餌)を発酵させることによって、麹をつくりそこから甘酒にします。
本来お米の状態では持ち得ない、必須アミノ酸やビタミンなどの栄養分を生み出します。
私たちが大概の麹菌に行ってもらっている発酵を牛さんは、自分の体内で行っているいるんですね!
発酵させないといけないのは餌に栄養がないから
牛さんはイネ科の植物の葉っぱを餌にして食べます。
しかしイネ科の植物には栄養がありません。
なぜかというと、イネ科が生息しているのは自然豊かな森ではなく、草原であることが多いです。
草原には植物の数が少ないため、気を抜いては動物に食べられ、絶滅してしまいます。
そんな環境で育ったイネは、自ら作り出した栄養を茎に蓄積します。
光合成のときは葉っぱで栄養を作り出しますが、その栄養を茎で蓄積しているのです。
そのため、葉っぱには栄養があまりなく、自分たちが生き残るために餌としての魅力を失わせているのです。
二番目の胃と三番目の胃もすごかった!
二番目の胃は食べ物を食道に押し返す働きをしています。
牛さんが餌を食べた後に寝そべって、お口をもぐもぐしているのは、もう一度口に戻して咀嚼したのです。
そして三番目の胃は、食べ物の量を調節しています。
一番目や二番目の胃に食べ物を戻したり、(消化吸収する)四番目の胃に食べ物を送ったりしています。
消化吸収をするために、自分の胃で前処理として葉っぱを噛み砕いたり、栄養分を増やすために微生物の力を借りて発酵させたりしていたんんですね。
これだけ発達した胃(内臓)を持つために、牛さんはあんな大きな体をしているのも納得です。
自然はうまくできている
いかがだったでしょうか?
このことを初めて知っとき、私はこんなにも自然はうまくできているんだなと思いました。
私たちアグクルが発酵の技術を使って製品を作ることもできるのも自然も恵みなのだなと改めて思いました。
文明が発達したことによって、新しいテクノロジーが生まれ、私たちの生活は豊かになりました。
そんな豊かになった未だ過去こそ、もう一度、植物や動物、微生物のことを考えてみることが大切なのかもしれません。
小泉泰英