この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。
科学の発展に伴い、食品の栄養成分もより細かく分析できるようになり、栄養素の健康効果などが研究によって証明されるようになりました。
かつてはお肉などの脂肪が太る原因だと言われていましたが、最近では私たちの主食である白米をはじめとした炭水化物の中の糖質が太る原因だとわかってきました。
そのことがわかると、世の中には「白米を抜くだけでいい。糖質制限のすすめ」みたいな簡単でわかりやすいダイエット手法や本が多く現れました。
炭水化物の摂りすぎが、病気のリスクを上げるという結果に対しては、賛成しています。
しかし私はこの流れに、「究極、ご飯を食べなくてもサプリメントで栄養素だけ摂取すればいいのではないか」という話に向かっていくのではないかと危惧しています。
100gの糖質をお米から摂るのと、100gの砂糖から摂るのは本当に一緒なのでしょうか?
今回は、病気にならないための正しい栄養の摂り方をみなさんにお伝えします。
発酵のやすくん
目次
病気にならないための正しい栄養の摂り方とは?
まずはじめに結論からいいますと、病気にならないための正しい栄養の摂り方は、栄養素や成分ではなく、野菜や果物などの食品・食べ物で摂ることを意識することです。
その理由は、栄養素を摂取したからといって健康になることができるわけではないからです。
人参やかぼちゃで有名なβカロテンで考えてみます。
健康栄養素と言われるβカロテンはがんのリスクを上げる
よくメディアでは、人参やかぼちゃにはβカロテンが含まれているので健康であると言われます。
背景には、1970年代に(緑黄色)野菜や果物をたくさん食べる人に胃がん、肺がんが少ないことが報告され、野菜や果物に多く含まれているβカロテンがその理由ではないかと言われたことにあります。
そのため一時期はβカロテンが含まれた飲みのもがブームになったこともありました。
しかしβカロテンだけを抽出したものをサプリメントで摂取したとしても健康になることはできません。
むしろ肺がんなどのリスクを上げるということが研究でわかってきました。
つまり(緑黄色)野菜や果物を食べている人は病気のリスクが下がるけれども、そこから抽出したβカロテンだけを摂取しても健康になるどころか、病気のリスクを上げる可能性があるということです。
同じ食塩量でも、味噌からの摂取は30%の減塩効果がある
もう一つ事例を紹介します。
「習慣的味噌汁摂取の抗高血圧作用の機序」という論文には、同じ食塩量でも、味噌からの摂取は30%の減塩効果があることがわかりました。
人間ではなくラットでの研究ではあるため、必ずしもそうであるとは言い切れませんが、一つの結果として参考になるでしょう。
この研究から言えることは、同じ塩といっても塩として直接摂取するのか、味噌の中に含まれる塩分として摂取するかでは体に与える影響は異なるということです。
どんな食品や食べ物をどうやって食べるのがいいの?
ではどんな食品や食べ物をどうやって食べるのがいいのかについてお伝えします。
「一物全体」という言葉を知っていますか?
「一物全体」を意識して食事をすることが健康の秘訣です。
「一物全体」とは、人間が食物を摂取する際、穀物を精白したり、野菜の皮をむいたり、動物の肉や魚を部分的に食用にするのではなく、できるだけ丸ごと食べるのが健康に良いとする考え方です。
つまり、お米であれ、野菜であれ、お魚であれ、なるべく皮や骨まで丸ごと全部食べるのがいいということです。
理由としては、より種類の多い栄養を摂ることができるからです。
何かの特別な栄養素をたくさん摂るのではなく、多種多様な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
白米と玄米を比較すると、玄米の方がビタミンやミネラルが多く含まれていますし、野菜なども皮を残したまま食べるほいが栄養素が高いケースが多いです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
最初に100gの糖質をお米から摂るのと、100gの砂糖から摂るのは一緒なのかを問いかけました。
あくまで私の仮説ではありますが、βカロテンや塩分同様に、糖質にも白米で摂るのか、砂糖で摂るのかに違いがあると思います。
それら全てに共通することは、人参やかぼちゃ、味噌、白米には、カロテンや塩分、糖質以外のビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれていることです。
あくまで注目されている成分がカロテンや塩分、糖質であるだけであり、体の中では、代謝によって様々な反応が起こっていると考えることができるでしょう。
成分や栄養素のことばかりを意識するのではなく、その野菜や果物などの食品・食べ物を食べることを心がけるようにしましょう!
発酵のやすくん