「食においてエビデンスが絶対ではないってどういうこと?」
「エビデンスってどのように理解すればいいの?」
健康的な食生活を意識する人にとって、「エビデンス」という言葉を聞くと安心したり、信じてしまうのではないでしょうか?
私もそうでした。
昔は「エビデンスがあって、効果効能が証明されているから安心だな」と思ったり、「この意見ってエビデンスに基づいているものなのか?」とかを気にしてばかりいました。
しかしそう思うとなんだか健康的でおいしいはずの食べ物を文字や根拠で食べている気がして悩んでいたときに、「食においてエビデンスは絶対ではない」ということを知ったのです。
「食においてエビデンスが絶対ではない」ということが一体どういうことなのかについてお伝えしていきます。
エビデンスを正しく理解するための方法なども紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
そもそもエビデンスとは?
エビデンスとは科学的根拠という意味で、薬や食品、サプリメントが健康維持や向上・回復に対して効果があることを示す根拠や検証結果のことです。
医学においてエビデンスは治療法などの選択をする際の「確率的情報」としての指針として利用されている。
つまり効果の確率を知るための手段がエビデンスです。
最近では、いろいろな場面でエビデンスが謳われていますが、実際のところ真偽が曖昧のことも多いです。
食においてエビデンスが絶対的真実ではない3つの理由
- 体に「良い」「悪い」の論文はどちらも存在するから
- そもそもエビデンスの信頼度がピンキリだから
- エビデンスという数字やデータだけではわからない背景があるから
①体に「良い」「悪い」の論文はどちらも存在するから
食においてエビデンスが絶対的真実ではない1つ目の理由は、体に「良い」「悪い」の論文はどちらも存在するからです。
例えばコーヒーなどだと、「コーヒーは体にいい」という研究結果を見つければ、「コーヒーは体に悪い」というような研究結果も必ず見つかります。
なぜそのようなことが起こるかというと、研究者によって視点や切り口が異なるからです。
コーヒーを例に挙げると、コーヒーメーカーの研究者はコーヒーの利点を研究で見つけようと様々な切り口から研究します。
対してコーヒーよりも紅茶を飲んで欲しいメーカーにとってはコーヒーの欠点を探すために研究をするでしょう。
その結果、どちらもコーヒーに含まれる1つの成分にのみ目を向けるので、利点、欠点の両方が見つかる研究結果になってしまうのです。
つまりエビデンスは事実ではあるものの、いろいろな思惑によって利用されて語られているということを知ることが大切です。
②そもそもエビデンスの信頼度がピンキリだから
食においてエビデンスが絶対的真実ではない2つ目の理由は、そもそもエビデンスの信頼度がピンキリだからです。
エビデンスは出どころが大切です。
学術誌には一流から三流、それ以外のものがあります。
学術誌の影響力は、掲載された論文がどれほど引用されたかというインパクト・ファクターによってわかります。
どの学術誌に影響力があるかはこちらでお伝えしないのですが、気になる方はインパクト・ファクターで調べてみてください。
参考 インパクトファクター - Google 検索ここでお伝えしたのは、論文に載ったエビデンスであっても信頼度はピンキリだということです。
③エビデンスという数字やデータだけではわからない背景があるから
食においてエビデンスが絶対的真実ではない3つ目の理由は、エビデンスという数字やデータだけではわからない背景があるからです。
よく、精製されていない茶色い炭水化物を食べている人と、食べていない人では茶色い炭水化物を食べている人の方が病気のリスクが低下するという結果があります。
そのデータは事実ですが、一つ注意しなければならない点があります。
注意点は「茶色い炭水化物」を食べている人は健康への意識が高い人で、他の食べ物にも注意していた総合的な結果として良いデータが現れたのだと考えることです。
つまり食材だけが体にいいのではなく、その人の食に対する意識が大きく健康に影響しているのです。
関連するテーマとして、栄養はサプリメントで摂るのがいいのか、それとも食べ物で摂るのがいいのかということについて書いた記事もありますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

エビデンスを正しく理解するための方法
ここまでエビデンスについてお伝えしてきましたが、そんなエビデンスを正しく理解するための方法について説明します。
エビデンスを正しく理解するための方法として、エビデンスはあくまで一面的なものとして、信じすぎて盲目にならないことが大切です。
食に関して盲目になってしまう現象のことをフードファディズムといいます。
フードファディズムは、その人の食に関する知識を狭めてしまったり、フードファディズムよるブームは最終的にフードロスという社会問題につながることもあるので注意が必要です。

エビデンスは一定の担保としての役割を示すので大切ですが、正直なところをいうと、最も大切なことは自分の体と対話することです。
最初にも述べましたがエビデンスは効果の確率を知るための手段なので、個人差があります。
食べたいなと思ったものを食べてみて、食べた後に自分の体と対話して「調子が悪いな」と思ったらやめればいいし、「調子がいいな」と思ったら続けるというようなあり方を心がけてみてください。
おわりに
いかがだったでしょうか?
今回は「食においてエビデンスは絶対ではない!」ということについてお伝えしました。
エビデンスが絶対的真実ではない理由として、
- 体に「良い」「悪い」の論文はどちらも存在するから
- そもそもエビデンスの信頼度がピンキリだから
- エビデンスという数字やデータだけではわからない背景があるから
エビデンスはあくまで一面的なものとして信じすぎず、自分の体と対話しながら健康と向き合うことを心がけてみてください。
発酵のやすくん