商品を購入する方はこちら

発酵食品が利用する微生物とは?種類や働きを解説!

「発酵食品って微生物が関わっているというけれど、何種類くらいあるの?」
「発酵に関わる微生物の働きって?」

近年、甘酒や塩麹ブームなども起こり、発酵食品が注目されています。

今回は、そんな発酵食品が利用する微生物について種類や働きまでお伝えしていきます。

ぜひ最後まで読んでみてください!

そもそも発酵や微生物とは?

はじめに微生物の前におさらいとして「発酵とは」「微生物とは」についてお伝えしておきます。

知っている方は飛ばして、「発酵食品が利用する微生物は3種類」をお読みください。

発酵とは「微生物による物質変化」と「エネルギーを獲得する過程」のこと

  1. 微生物の作用によって有機物が分解され、別の物質に変化すること。
  2. 酸素が存在しない嫌気的条件で、糖などを分解してエネルギーを獲得する過程のこと。

発酵には、2つの意味がありますが、お互いに関連しています。

例えば、酸素が存在しないところで、酵母によって糖がアルコールに変換されるとき、微生物の作用でありながらもその過程でエネルギーも生み出すため、両方を満たしているといえます。

発酵について、さらに詳しく知りたい方はぜひこちらもご覧ください。

発酵と腐敗の違いやアルコール発酵、乳酸発酵についての仕組みも解説しています。

発酵とは?腐敗との関係から仕組みや語源までを解説!

微生物とは目にみえないくらい小さな生物のこと

微生物とは、細菌、菌類、ウイルス、微細藻類など目にみえないくらい小さな生物のことです。

細菌には食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌や大腸菌、菌類にはカビやきのこ、ウイルスには、インフルエンザウイルスや新型肺炎を起こすこのなウイルス、微細藻類にはユーグレナで有名なミドリムシがあります。

微生物の大きさはほとんどが1ミリメートル以下です。

カビやキノコが肉眼で確認できますが、あれは細胞の集合体だからです。

実際のカビの細胞一個の大きさま数マイクロメートルほどなので、顕微鏡を使用しなければ見ることはできません。

発酵食品が利用する微生物は3種類

次に発酵食品が利用する微生物についてお伝えします。

発酵食品が利用する微生物には「カビ」「酵母」「細菌」の3種類があります。

大きさを比較すると、カビ>酵母>細菌の順番になります。

カビ

カビは日本酒や味噌、チーズなどの発酵食品をつくる時に使われる菌です。

細胞の中に細胞核をもつ真核生物で、光合成ではなく、分解酵素が有機物を分解してエネルギーを獲得している微生物です。

世界中は4万種類ものカビが存在すると言われています。

カビの増殖には、胞子と言われる生殖細胞が温度や湿度などの条件が揃ったときに、糸状の細胞である菌糸を伸ばして成長します。

この後、説明をしますが日本の発酵食品に使われている麹菌がたまたま無毒なだけで、ほとんどのカビが有毒なものです。

カビは発酵食品の利用だけでなく、アオカビは抗生物質として有名な「ペニシリン」をつくる菌として医療業界でも活躍しています

発酵食品が利用するカビの種類とは?

発酵食品が利用するカビとして、コウジカビ、クモノスカビ・アオカビを紹介します。

コウジカビ

コウジカビはアスペルギルス属のカビで、代表的なものが日本酒や味噌、甘酒などのもとになる糀(こうじ)を作り出すアスペルギルス・オリゼである。

それ以外にも醤油に使われる醤油麹菌であるアスペルギルス・ソイや鰹節に使われるアスペルギルス・グラウス、泡盛に使われる黒麹、アスペルギルス・アワモリなどもある。

一般的に麹菌と言われておるものはアスペルギルス・オリゼのことです。

コウジカビの危険性
アスペルギルス・オリゼを中心とした種類が無毒なコウジカビであっただけで、コウジカビの中でもアスペルギルス・フミガタスやアスペルギルス・フラバス・アスペルギルス・ニガーなど人間への病原性を持つ菌もいます。
クモノスカビ

クモノスカビは中国や東南アジアで使われているカビです。

菌糸の様子がクモの巣のようである頃から、名付けられました。

中国で有名な紹興酒や白酒(バイチュウ)は餅麹と言われる麹をクモノスカビによって発酵させることで作られます。


紹興酒

アオカビ

アオカビが使われている発酵食品は、チーズです。

チーズの中でもカッテージチーズやモッツァレラなどはアオカビは使用していません。

アオカビを使って発酵熟成させるもので有名なのは、ブルーチーズです。

その他のカビによる発酵食品としてはカマンベールチーズをはじめとしたナチュラルチーズがあり、それらはシロカビによる発酵熟成です。

発酵食品が利用するカビの働きとは?

発酵食品が利用するカビの働きは、酵素を作り出します

生み出された酵素の中でも代表的なものに、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼというものがあります。

アミラーゼという酵素はデンプンを糖に変えて甘味を生み出します。

プロテアーゼという酵素はタンパク質をアミノ酸に、リパーゼは脂肪を脂肪酸に変えます。

酵母

酵母はパンやワインやビール、日本酒に使われている菌です。

英語名では、イーストと呼ばれており、パンに使われているイースト菌も酵母の一種です。

日本酒の場合は、麹菌によるカビの発酵と酵母によるアルコール発酵の2つを行うことで出来上がります。

酵母の働きとは?

酵母の働きは、糖分を分解して、そこからアルコールと二酸化炭素を生み出すことです。

細菌

細菌には、ヨーグルトやキムチをつくる乳酸菌や納豆をつくる納豆菌、食酢をつくる酢酸菌などがあります。

発酵に関わるものではありませんが、私たちのお腹を痛くする大腸菌も細菌です。

発酵食品が利用する細菌の種類と働きとは?

次に具体的な最近の種類として乳酸菌、納豆菌、酢酸菌をお伝えし、それぞれの働きを解説します。

乳酸菌

乳酸菌で有名なのはヨーグルトですが、ここではキムチを紹介します。

乳酸菌は糖分をエサにして、乳酸を生み出します。

乳酸は酸性であるため、その場の環境を酸性に傾けることで雑菌の繁殖を防ぎ、食品の保存に有効な働きをします。

キムチも、白菜に唐辛子やニンニクなどを加えて、5日ほど発酵させます。

このときの発酵が乳酸菌発酵であり、乳酸菌が白菜などの糖をエサに乳酸を作り出しまします。

さらに乳酸菌は私たちの健康にもとても大切な役割をしており、乳酸菌は私たちの腸内環境を整えることで健康維持に役立っています

納豆菌

納豆菌は、納豆をつくるのに使われる菌です。

温度と湿度の条件が整うと、1つの菌が15時間後に10億個に増えるという驚異の繁殖力を持っています。

繁殖力が非常に強いことから、日本酒を製造する酒蔵などでは仕込みの時期には納豆は禁止されているところも多くあります。

酢酸菌

酢酸菌は、米酢、りんご酢、バルサミコ酢など食酢をつくるのに使われる菌です。

アルコール(エタノール)を酸化することで酢酸を作り出します。

食酢には、殺菌や塩分の低減、臭み抜きにも利用されています。

食酢の健康効果としては、高血圧、糖尿病、肥満予防などがあります。

3種類の微生物が発酵に関わる“味噌”は最強!?

酵母による発酵で作られるワインや納豆菌による納豆のように、1種類の菌によって作られる発酵食品が基本ですが、なかには日本酒のように麹菌によるカビと酵母の2種類の菌を介在する発酵もあります。

発酵によって使用される菌の数が多いことは、生み出される栄養分なども多様であるため、栄養バランスに優れている特徴があります。

特に味噌は麹菌(カビ)、酵母、乳酸菌の3種類全ての菌が働くことによって作られることから、最強の発酵食品だとされています。

おわりに

いかがだったでしょうか?

発酵食品が利用する微生物には、カビ(麹菌)、酵母、細菌(乳酸菌・納豆菌・酢酸菌)の大きく分けると3種類あることがわかりました。

さらにその3種類の全てが関わっている微生物に「味噌」があり、私たちは普段の生活から多様な菌に触れていたのです。

ぜひいろいろな発酵食品を食べて、健康ライフを目指していきましょう!

発酵のやすくん

次世代に発酵を伝える株式会社アグクルの代表である小泉泰英がお届けしました。

Follow me!

PAGE TOP