「発酵と酸化はどう関係性はあるの?」
「発酵と同時に酸化は進んでいる?」
健康ワードとして最近よく耳にする「発酵」や「酵素」。
そしてそれと同時に、良くないイメージの「酸化」。
こいずみくん
今回のテーマは「発酵と酸化」についてです。
アグクルに関わるママさんから「発酵と酸化の関係性がいまいちわかない」というご質問をいただきました。
たしかに“酵”と“酸”の感じも似ていますし、置いておくと酸化をおこして劣化するのに、置いておいて発酵すると美味しくなるって矛盾していないかと思う人も多くいるかと思います。
では発酵と酸化にはどのような関係性があるのでしょうか?
結論から言うと、発酵と酸化という概念は異なるものになり、関係性はありません。
しかし発酵と同時に酸化が進んでいるかという質問の回答には“Yes”ということになります。
今回は、「なぜ発酵と酸化は関係ないのか」や「発酵食品“甘酒”の酸化」、「発酵と酸化についての気になる疑問」などを説明します。
「なるほど!」と思っていただけますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
簡単解説!発酵と酸化とは?
発酵と酸化はなかなか理解しにくい部分ですが、発酵と酸化という両者は概念が異なるものです。
発酵は、微生物や菌がある物質を違う物質に変化させる働きのことを言います。
例えば、納豆や甘酒です。
納豆は元々は大豆ですが、納豆菌の力によって、物質が変化(栄養素も変化)し、納豆になります。
また甘酒も元々はお米でしたが、お米のデンプンが等に変わり麹(こうじ)になり、さらにその発酵が進んで甘酒になります。
次に酸化についてです。
酸化は空気中の酸素と食材などの物質が触れ合うことによって起こる現象です。
酸化はみなさんの生活のとても身近なところに存在しています。
例えば、りんごです。
りんごを切って置いておくと、断面が茶色になりますよね。
あれは酸化です。
りんごには含まれるポリフェノールの一種であるエピカテキンやクロロゲン酸が含まれています。
エピカテキンやクロロゲン酸などの物質が空気中の酸素と反応して酸化し、茶色に変色しているのです。
次に甘酒と味噌を事例に発酵と酸化について説明します。
酸化=空気中の酸素と食材などの物資が触れ合うことによって起こる現象
事例で解説!発酵と酸化の違いについて
発酵と酸化についての違いについて説明をしました。
しかし、実際にどのように違うのかのイメージはまだついていないと思います。
ここでは、発酵と酸化の両方がよくわかる事例として、甘酒と味噌を取り上げます。
まず押さえておきたいポイントは、発酵と酸化は同時に起こっているということです。
そして発酵食品であっても酸化は起こります。
甘酒の発酵と酸化
甘酒は酸化すると、品質が劣化し、酸っぱくなったり色が変わったりします。
なので時間の経過とともに確実に酸化します。
甘酒の発酵に関しましては、実は8時間以上は意味がないことが論文でも明らかになっています。
どういうことかと言いますと、8時間以降は発酵しないということです。
甘酒の発酵は先にも述べましたように、お米のデンプンを甘味である糖分に変換させています。
この活動がだいたい6〜8時間で完了するということになります。
そのため出来上がったらすぐに冷凍または空気が入りにくい容器に入れ、冷蔵するなどしなければ、酸化する一方です。
味噌の発酵と酸化
味噌は2年ものがあるように、発酵は1年2年と続きます。
発酵が進んでいる裏で、実は同時に酸化も進んでいます。
味噌の発酵は、麹(こうじ)が大豆のたんぱく質やデンプンをアミノ酸や糖に分解します。
そして生まれた糖分を酵母菌や乳酸菌がさらに分解します。
味噌の酸化は、自分で味噌を作ってみてみると一番わかります。
味噌を作る発酵過程で、味噌の一番上の表面は黒ずんだりして変色します。
これは味噌の表に出ている部分が酸素とくっついて酸化したということです。
お米を麹する過程の中で生まれた酵素によって、大豆の成分を分解します。
麹菌はお米のデンプンを糖に変えたり、酵素といわれるものを生み出す仕事をします。
発酵と酸化についての気になる疑問を解説
酵素玄米も発酵と酸化が同時に起きているの?
こいずみくん
(正式に言えば、発酵ではなく、酵素の働きです…)
酵素玄米の場合、大豆や小豆などの豆類を一緒に入れて食べることが多いと思います。
お米や豆類の中の酵素がデンプンやたんぱく質を分解して、甘みや旨味を増やしてくれています。
同時に酸化は進んでいるのですが、酵素玄米の場合はメイラード反応と呼ばれる別の働きによって、酸化が抑えられています。
メイラード反応によって、メラノイジンと呼ばれる抗酸化作用を持つ物質が現れます。
そのメラノイジンが空気中の酸化を防止します。
抗酸化力ってなんですか?
こいずみくん
抗酸化力は、私たちの体を老化やがん細胞の増殖などから守ります。
通常、生活をしていると酸素と他の物質が結びつき老化などを導く活性酸素を作ります。
この活性酸素の蓄積は私たちの体を老化させたたり、がんなどの病気をもたらします。
しかしこの活性酸素の働きを阻止する物質こそが抗酸化物質と呼ばれ、その働きが抗酸化力です。
腐敗と酸化は違う?
こいずみくん
どう異なるかというと、腐敗は菌や微生物による劣化で、酸化は酸素と結合することでの劣化です。
腐敗は発酵と同じです。
発酵も腐敗も微生物夜勤の働きによって起こっている現象です。
今日は詳しくは話しませんが、発酵と腐敗は実は全く同じ現象で、腐敗しているか発酵しているかは私たち人間の主観なのです。
最後に
いかがでしたか?
今回は、「発酵と酸化」について解説をしました。
発酵と酸化には直接的な関係性はありません。
しかし、発酵と酸化は同時に存在するものだとわかりました。
知ってしまえば簡単な違いですが、なかなか自分では理解しにくい分野ですよね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
今後もみなさんの質問や疑問にお答えしながら記事にしていきます。
あなた
こいずみくん